2007年11月23日

美の奉仕者

■ギャラリーフェイク (2005)

ギャラリーフェイク BOX BLUEギャラリーフェイク BOX BLUE
森川智之 川澄綾子 雪野五月

ギャラリーフェイク BOX REDギャラリーフェイク BOX GREEN

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★★★★☆

 いまだに細野不二彦を語るときに「Gu-Guガンモ」を引き合いに出さないと通じなかったりするのだろうか。その「ガンモ」を描いた人です、細野不二彦。「ギャラリーフェイク」はその細野不二彦が「スピリッツ」で連載していたマンガです。それがアニメ化されたんですね。別に映画ではないが、おもしろかったのでご紹介。

 「ギャラリーフェイク」は元ニューヨーク・メトロポリタン美術館(MAT)のキュレーターで、かつて「プロフェッサー」とも呼ばれたが、いまは贋作を専門に取り扱うギャラリー「ギャラリーフェイク」のオーナーとなり、ときには非合法な取引も行う男・藤田玲司(ふじたれいじ)を主人公として主に美術を取り扱う物語。美術とは言っても、絵画、彫刻、陶芸、写真、遺跡から、コンピュータやZippo、おもちゃやアニメなど新旧和洋ノンジャンルでなんでもアリの様相だ。
 藤田は金の亡者的描写が多く、決して善人に描かれているわけではないが、美の奉仕者としての姿勢は一貫しており、単なる金勘定で動く男ではないあたりが非常に魅力的。

 マンガ「ギャラリーフェイク」は、浦沢直樹の「MASTERキートン」のような読後感がある。
 「MASTERキートン」の主人公、平賀・キートン・太一は、考古学者くずれで軍隊の特殊部隊に所属した元エリート軍人でいまは保険会社の調査員という、かわった経歴をもっていた。藤田もキートンも一筋縄ではいかない経歴を持ち、それが問題解決の糸口になる。両作品とも、愛や憎しみなどの人間模様や、サスペンスやコメディや社会問題や政治問題など、いろいろな側面から、美術品など人間がつくったものを通して、最終的には人間そのものを見つめるドラマだ。いずれもいつもハッピーエンドではなくて、なんとも言えないやるせない空気感が残るエピソードが少なくない。
 非常に酷似した2作品だが、違いを言うなら「ギャラリーフェイク」はキートンがちょっと悪人になった物語てことだ。

 で、本題のアニメ「ギャラリーフェイク」だが。良くできてる。このへんも「MASTERキートン」との相似点だ。「キートン」のアニメも良いデキだった。

 アニメというメディアの特性上、細野不二彦の独特な汚い描線がもたらす泥臭い人間味は薄れているものの、「ギャラリーフェイク」の魅力の一旦はきっちり伝わってくるアニメです。
 いや汚いって言うか味があるというか。どうにも語弊がある表現で申し訳ない。アニメ版は音楽もジャズな感じでオシャレにまとまって、確かにそんな雰囲気も「ギャラリーフェイク」に違いないが、もっと生臭くって生温かくて生冷たいのが原作なんですね。春先に裸足で野原を歩く感じ。よくわかんないたとえ。

 いずれにしてもちょっとでも美術に興味がある方(私)には、ホントおすすめでしょうがない。


ギャラリーフェイク アニメHP
http://www.aniplex.co.jp/galleryfake/
WEBドラマ ギャラリーフェイク
http://www.bitway.ne.jp/shogakukan/galleryfake/club/


CD:ギャラリーフェイク オリジナルサウンドトラック
BOOK:ギャラリーフェイク (1) (ビッグコミックス/細野不二彦【原作】)
BOOK:ギャラリーフェイクTHE BEST(細野不二彦:新作一篇有)

キートン動物記―MASTERキートン/番外編 (Big comics color special) キートン・マスターズ・ブック―Naoki Urasawa + Hokusei Katsushika presents MASTER キートン  オリジナル・サウンドトラック 初期のURASAWA―浦沢直樹初期短編集 (ビッグコミックス ワイド版) MASTERキートン File1 踊る警官 (小学館文庫―浦沢直樹短編集) MASTERキートン (1) (ビッグコミックスワイド)
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2007年08月25日

男の生き様

■宝島(1978)

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ロバート・ルイス・スティーブンソン

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★★★★☆


 ネットテレビでもレンタルビデオ(DVD)でも、幻とまで言われたような作品がどんどん見ることができるようになってきていて、団塊ジュニアの世代(私)はますますカモられそうですな。「太陽の子エステバン」とかも観たいし、すごく。

 それはそれとして夏なんで海の物語のお話をしたい。「宝島」だ。
 「宝島」は、もともとはロバート・ルイス・スティーヴンソンという人の書いた小説で、この人は実は「ジキル博士とハイド氏」も書いた人だそう。そうなのか。その「宝島」のアニメ化で、どこまで原作にのっとっているのかは知らないが、日本で「宝島」といえばこのアニメ「宝島」じゃないだろうか。オープニング曲がまるでエンディング曲のように地味で落ち着いており、こんな大人っぽい曲調でよく企画が通ったなあ。ちなみにエンディング曲はもっと地味なのがすごい。

 あらすじ。
 少年ジム・ホーキンスは、ふとしたことで宝の地図を手に入れた。彼は金持ちの名士トレローニさんとリブシー先生の協力を得て宝島を目指すこととなる。その際、コックとして雇ったのが町で宿屋を営んでいたジョン・シルバーで、多くの船員は彼の助力で集めた。そして一行は宝島を目指す。またジムはシルバーの強さと優しさに畏敬と憧憬を感じ、出会ってまもなく彼を兄のように慕うこととなった。
 苦難の末、宝島にたどり着いたそのとき、ジョン・シルバー正体を現す。彼は海賊だった。自身が集めた仲間とともに反乱を起こしたのだ。

 という話なんだが、これがいま観てもホントおもしろい。
 シルバーがコックだったときに培ったふたり(ジムとシルバー)の絆が、敵同士となったあとも非情になれず彼らの行動を縛り、かつ救う。
 「旅は少年を男に変える」というのはありふれたテーマだけれど、シルバーの存在が「宝島」を他の海賊ものとは違うものとしている。他のって「小さなバイキングビッケ」くらいしか浮かばないけど。「ビッケ」も好きだったなァ。「ワンピース」の尾田栄一郎 も「ビッケ」が好きと言っていた。
 それはともかく、ジムにとって友人であり父であり兄であり師であり上司であり、つまり全方位的に尊敬すべき偉大な味方であったシルバーが、実は最大の敵でもあるという意地悪さがスゴイ。そしてそれは後年、石森章太郎(当時)が、マンガ「人造人間キカイダー」や「スカルマン」「変身忍者嵐」「イナズマン」等で描いた通り、悪の首領が実は肉親であるというなかで正義と悪との葛藤に揺れる主人公という形で引き継がれた。嘘だけど。

 シルバーはカッコイイ。確かにあんな男になりたいと思う。でも同じくらいグレイが好きだ。シルバーとともに謀反を起こす船員の中から、たったひとり強い意志を持って抜け出し、ジムたちの味方となった男グレイ。そしてジムやその仲間のために最後まで力を尽くした不健康で陰険で冷たい顔をした男グレイ。見せ場を描かれながらも今ひとつ目立たなかったが、実は物語中いちばん熱い心と義侠心をもった男だった。男はかくありたい。「宝島」は、そんな男たちがあふれる物語だ。


 それで同じ原作をモチーフにしたはずの「トレジャー・プラネット」(ディズニー)はなんであんなデキになっちゃったんだろうな。


関連ページ
「トレジャー・プラネット」

「小さなバイキングビッケ」公式サイト
http://www.vicke.ne.jp/hp/index.html


BOOK:宝島(原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン)
DVD:どうぶつ宝島(東映動画:宮崎アニメ

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ラベル:血沸く
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2006年10月29日

弁護士 灰島秀樹 (2006/10/28)

弁護士・灰島(左)と篠田(右) DVD発売未定
 DVDは発売未定らしい

★★★☆☆

 大捜査において本当に大切なものってなんでしょう。とは放映日のブログペット占いでの「ゴン」お言葉だが、コイツ本当に意志があるんじゃないのか。ないけど。占い総括としては「大捜査運絶好調」とのことで、ええ、実際好調でした。堪能したと言うことだ。

 踊るレジェンドドラマの最新作で、映画「容疑者 室井慎次」の敵役、八嶋智人演じる弁護士・灰島秀樹が主人公の作品だ。もう警察官じゃなくてもいいらしい。というか作品の雰囲気がまったく別物で、「踊る」シリーズということを真矢みき(またか)が出るまで忘れてたし。
 灰島は「室井」では単なるイヤで情けない男だったが、私が八嶋智人ファンであることはさっぴいても、このドラマでは非常に魅力的な男だった。実は開始1時間ほどは「マおもしろいね。おもしろい、おもしろいけど」と煮え切らない感じだったが、忠実な部下であったはずの篠田 (吹越満)が灰島に「裏切る気ですか」と睨むあたりから俄然おもしろくなってきた。ここから、誰にも言わない想いを胸に秘めて生きてきた男(灰島)の熱いストーリー、つまり感動ものとも言えるほどのアリガチで安心な展開になります。挙げ句クライマックスのときには、「室井」のときにはただ単にムカついた灰島のいやらしいネチネチした言動や所作が、それがとても頼もしく、さらにメチャメチャ格好良く見えるほどシンパとなりまして、観てる私の気持ちの盛り上がりっぷりは「室井」の尻すぼみ感の対極を攻めてきた感じですからして、今後「灰島」をご覧になるみなさまにおかれましても、その制作者の意図に逆らわずぐいぐい乗せられてむしろ自分から乗りかぶってご鑑賞いただきたい。そのほうがラストの衝撃もひとしおです。DVDの発売予定ないですけど。

 やはり「踊る」はテレビサイズの良作だと痛感。スクリーンじゃ役者不足と言うことか。いやいや適材適所だ。というより「踊る」シリーズだと忘れて観ていたと冒頭に言い放つ程度の思い入れながら、いつのまにか堂々と「踊る」を語っている私だが、大人の世界では話は違ってくるものだ。特に現場では臨機応変な対応が必要なんだよ。現場は動いてるんだよ。なぁ、青島ァ。あ、これ映画じゃなかった。映画リストに加えちゃったよ。もうグダグダ。


関連ページ
「踊る大捜査線」「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」「交渉人 真下正義」「容疑者 室井慎次」

踊る大捜査線FANSITE
http://www.odoru.org/
八嶋智人
公式サイト

DVD:踊る大捜査線 コンプリートDVD-BOX (初回限定生産)
DVD:交渉人 真下正義 スタンダード・エディション
DVD:交渉人 真下正義 プレミアム・エディション (真下+木島)
DVD:容疑者 室井慎次
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2006年06月07日

トリック 新作スペシャル (2005)(テレビ)

トリック 新作スペシャル
ジェネオン エンタテインメント (2006/03/24)

★★★☆☆

 鬼束ちひろが好きだ。鬼束ちひろと言えばかつて「月光」がヒットして売れっ子の仲間入りをしたわけだが最近ちっとも見かけない。別に一発屋ということではなく、以降もそこそこヒット曲をとばしていたのだが、所属会社となにやら揉めたのがきっかけらしい。そんなことはともかく私は鬼塚ちひろが今でも好きだ、大好きだ。そこで声高らかに言いたいことがひとつある。みんな気づいていようがいまいが、あえて言いたいことがある。鬼束ちひろはえろいんだ。えろいぞ鬼束ちひろ。倒置法で強調してみたがどうか。それは倖田來未などナンダというレベルだ。鬼束ちひろは一部で報告があった通り確かに巨乳だが、別にそれを強調してはいなかった。出すでもなく隠すでもなかった。自然体、だがえろい、なのだ。それは彼女の8枚目のシングル「Beautiful Fighter」(2003)で頂点を極めた。普通に服をしっかり着込んで、ロックなナンバーを歌っているのにこの淫ら。未見の方はぜひご覧ください。

 さて今回取り上げるは、そんなおにっちの楽曲がEDテーマに採用されたこともある仲間由紀恵と阿部寛が主演の「トリック」です。正確には日曜洋画劇場の特別企画「トリック まだまだ新作スペシャル」だ。これはで2005年の11月に放送したスペシャルの再放送らしい。
 実は生まれて初めて「トリック」なる番組を観たんだが、おもしろいじゃないか。現実世界の皮肉というリアルと、エンターテイメントとしての骨董無形や他作品のパロディがいい感じに混ざり合っている。このシリーズをわざわざ劇場で観る手間は個人の勝手だが、深夜枠や2時間ドラマとしてはかなりオススメだ。いまさら私が薦めなくても世間は評価しているようだけど。それもかなりの高評価で。

 最近とみに思うが、仲間由紀恵も成長したもんだ。私の憶えている仲間由紀恵の歴史は、NHKの浅の連ドラ(番組名忘れた)と、エイズを取り上げた深田恭子と金城武主演の「神様、もう少しだけ」、それから2000年ミレニアムのときのKinKi Kidsの堂本剛主演のタイムスリップ物(名前忘れた)の3つです。いつ見かけても変なイントネーションでしゃべる娘だなあと思ってたのと、いつも脇役というイメージがありました。立派になったもんだ。イントネーションは今でも変わらないんだけど。

「トリック劇場版2」
http://trick2.jp/

DVD:TRICK トリック -劇場版2-
DVD:広報人 矢部謙三 トリック劇場版2 公開記念講演会
DVD:トリック 劇場版
DVD:トリック トロワジェムパルティー DVD-BOX(第3期)
DVD:トリック 2 超完全版(第2期:DVDBOX)
DVD:トリック(1)(第1期:全5巻)
BOOK:日本科学技術大学教授上田次郎のなぜベストを尽くさないのか
BOOK:日本科学技術大学教授・上田次郎のどんと来い、超常現象 V・I・P用

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